記事登録
2008年12月13日(土) 19時38分

中国の尖閣・調査船進入で麻生首相が抗議 日中韓首脳会議産経新聞

 麻生太郎首相は13日、福岡県太宰府市の九州国立博物館で、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領と3カ国首脳会議を行い、世界的な経済危機の克服に向けて3カ国が共同対処する方針で合意し、連携強化へ3つの共同声明に署名した。北朝鮮の核問題の解決に向け、緊密に連携していくことも確認した。日中韓首脳会談は平成11年から他の国際会議と並行して行われてきたが、独立した形での開催は初めて。今後定例化し、来年は中国で開くことが決まった。

 これに先立つ日中首脳会談では、麻生首相が尖閣諸島の領海内に中国の海洋調査船2隻が出没した事件について「尖閣諸島はわが国固有の領土であり、非常に遺憾だ。日中関係によい影響を与えない」と抗議した。温首相は「この地は古来より中国固有の領土である」と反論した上で、「話し合いを通じて適切に解決し、良好な2国間関係に影響を与えないようにしたい」と応じた。

 懸案の東シナ海の石油・ガス田開発問題では、麻生首相が条約締結交渉の早期開始を求めたが、温首相は「実務レベルで引き続き意思疎通を続けていきたい」と述べるにとどめた。また、北朝鮮の拉致問題について麻生首相が「議長国である中国の役割を期待する」と解決への協力を求めたが、温首相の明確な返答はなかった。

 日韓首脳会談では、北朝鮮の核問題に関する6カ国協議について、完全なる核放棄に向けて日韓が足並みをそろえ、日米韓の連携を強める方針で一致。李大統領は拉致問題について「私は拉致被害者の家族や日本国民の心情を誰よりも理解している」と応じた。経済連携協定(EPA)締結に向けた協議を促進することでも合意した。

 中韓両首脳はそれぞれ、麻生首相に来年中の自国への訪問を求め、麻生氏は応諾した。

【関連記事】
中国船の日本領海侵入に一線画す 台湾国民党主席
福岡で日韓首脳会談 金融危機や北朝鮮対応で連携確認
中国船の尖閣領海侵犯 台湾取り込み狙う?
中国 占拠めぐり村民1000人、警官と衝突
感染70万人? 深刻化するエイズ問題

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000549-san-pol