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2008年12月13日(土) 17時00分

東宝、来年も独り勝ち?「ゼロの焦点」など大作揃える夕刊フジ

 日本の映画会社で独り勝ちを続けながら「テレビ局とのタイアップ映画とアニメばかり」とヤッカミの声も聞こえる東宝。だが来年は大人の映画ファンを唸らせるべく「ゼロの焦点」「沈まぬ太陽」と強力な作品のラインアップをそろえてきた。

 今年の東宝は年間累計興行収入見込みが約750億円と過去最高の当たり年になった。東映と松竹を足して3倍してようやく並ぶ稼ぎっぷりだ。興収154億円を見込む「崖の上のポニョ」、78億円の「花より男子ファイナル」は別格としても、興収10億円以上の作品が21本もそろい、改めて企画・宣伝力の高さを見せつけた。

 12日に発表された2009年のラインアップは全32本。注目は松本清張生誕100周年記念作品として秋公開予定の「ゼロの焦点」。金沢を舞台に行方不明となった夫を追う新妻と、女性たちの悲しい過去が交錯する社会派ミステリーで、「点と線」「砂の器」と並ぶ清張作品の代表作だ。

 映画化は1961年の野村芳太郎監督作品以来。メガホンを取る犬童一心監督は「原作に忠実に、でも70年代アメリカ映画のように後半ぐっと盛り上げたい」と意欲満々だ。

 メーンキャストの3人の女性を演じる女優名は明かさなかったが「話し方1つにしてもちゃんと演技ができる人がいい」と期待を寄せた。

 同時期にはこれも生誕100周年の太宰治の「ヴィヨンの妻」を松たか子(31)主演で公開する予定で、期せずして文豪の生誕100周年対決に。その他、東宝は映画化不可能と言われた山崎豊子原作の「沈まぬ太陽」も来秋公開予定。NHKドラマで好評だった「ハゲタカ」やマスコミとネットの横暴を描く「誰も守ってくれない」と大人向けの作品がそろった。独り勝ちはいつまで続くのか−。

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