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2008年12月13日(土) 15時27分

GM救済 最終局面 北米20工場で3割減産産経新聞

 米ビッグスリー(自動車大手3社)の救済問題は12日、米政府が金融危機対策の公的資金枠活用の検討を始めたことで新たな段階に入った。民主党はこうした政府の動きが促進されるよう圧力をかけており、株式市場も救済へ期待感をみせた。ただ、自動車販売の現場は厳しい状況が続き、減産の動きも強まっている。

 【ワシントン支局=12日】経営危機に直面している米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は12日、2009年1〜3月期に計画していた北米の生産能力の約30%に当たる約25万台を減産する、と発表した。景気の悪化に伴う個人消費の低迷で、GMの新車販売は急減、早急に大幅な生産削減を迫られた。

 減産する工場は、米国14、カナダ3、メキシコ3の合計20の組立工場。減産はGMのほとんどの車種に及ぶという。1〜3月期に計画した生産台数は、前年同期比32%減の約60万台。減産の影響は部品工場にも及ぶ。

 米国では、トヨタ自動車やホンダなども一層の減産を発表しており、GMは「米市場ではこの数週間の落ち込みの速さと厳しさは前例がない」としている。

 米調査会社オートデータの調査では、11月の米新車販売は市場全体が前年同月比36・7%減。とりわけ、GMは41・2%減と急減。資金流出が厳しい状況で、年内にも運転資金が枯渇する恐れもある。

 米上院でビッグスリー(自動車大手3社)の救済法案が事実上廃案になったことを受け、米政府は12日、GMなどの破たんを回避するため7000億ドル(約64兆円)の危機対策の公的資金枠活用を検討する意向を表明、具体策の検討を始めた。

 政府は公的資金のうち半分の3500億ドルを使う権限があるが、財務省は使用方法が決まっていないのは150億ドルと指摘。議会承認が必要な残り3500億ドルを活用する可能性がある。

 GMとクライスラーは、年内に資金繰りが行き詰まって破たんの恐れが現実味を帯びており、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請も選択肢にはいっている。経済の影響が大きい両社の破たん回避に向け、救済の動きは最終局面に入り、ブッシュ大統領の決断に委ねられている。

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