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2008年12月13日(土) 15時27分

浜岡原発2基廃炉へ 中部電力、代替機の新設計画産経新聞

 中部電力が長期運転停止となっている浜岡原子力発電所1、2号機(静岡県御前崎市)を廃炉にし、新たに6号機を建設する計画を検討していることが13日、明らかになった。商用原子炉の廃止ですでに廃炉措置に入っているのは日本原子力発電の東海発電所だけで、日本原子力発電の敦賀発電所1号機は平成22年に運転停止し廃炉になる予定。2基同時に廃炉方針が出るのは初めて。

 浜岡1号機は平成13年の配管破断事故で、2号機は定期検査のため16年から、それぞれ長期停止しており、設備の利用率低下が経営課題となっていた。すでに運転開始から30年あまりが経過しており、経年化にあわせた対策工事なども必要となっている。

 だが、運転再開には大型部品の交換や耐震工事に多額の費用がかかることから、6号機の新設と廃炉措置を並行して行うほうがコスト負担が低いと判断したとされる。

 今後は国に廃止措置計画の認可を受けた上で、原子炉などに付着した放射性物質の除去や解体、撤去などの措置を行い、平成47年ごろまでに廃炉を行う。代替機となる6号機は、1、2号機の合計出力と同等の約140万キロワットの規模とする方針で、30年以降の運転開始を目指す考えだ。

 浜岡原発をめぐっては、地元住民らが「東海地震に耐えられない」として、中部電力に対し1〜4号機の運転差し止め訴訟を行ったが、一審の静岡地裁では住民側が敗訴し、現在も東京高裁で係争中となっている。

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