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2008年12月13日(土) 15時33分

金融危機克服へ協力 福岡で日韓首脳会談中国新聞

 麻生太郎首相と韓国の李明博イ・ミョンバク大統領は十三日午前、福岡市のホテルで首脳会談を行い、世界的な金融危機克服に向け協力することで一致、日韓金融当局が必要時に外貨を融通し合う通貨交換(スワップ)協定の三百億ドル規模への拡大で合意したことを歓迎した。

 北朝鮮核問題では、成果なく終了した六カ国協議首席代表会合で北朝鮮が「非協力的な姿勢」だったとして遺憾の意を表明。今後、北朝鮮の核計画検証枠組みの文書化に向け、オバマ米次期政権下でも日米韓三カ国の連携を強化することを確認した。

 両国首脳が定期的に相互訪問する「シャトル外交」推進でも合意。李大統領が来年の早い時期の訪韓を要請。麻生首相は「できるだけ早い時期に訪韓したい」と応じた。

 また麻生首相が、日韓経済連携協定(EPA)締結交渉の早期再開を促したのに対し、李大統領は前向きに検討する考えを示した。北朝鮮の拉致問題解決への理解と支援を麻生首相があらためて要請。李大統領は「被害者家族や日本国民の心情はだれよりも理解している」と述べた。インド・ムンバイでの同時テロなどを踏まえたテロ対策での協力でも一致した。

 麻生首相は「重要な隣国同士の首脳が関係緊密化を図るのは、国際社会の課題について協議できるなど非常に重要だ」と指摘。李大統領は「日韓関係を距離的にも心情的にも近くて近い国にしたい」と述べた。

 麻生首相は十三日午後、福岡県太宰府市の九州国立博物館で中国の温家宝おん・かほう首相と会談した後、国際会議と切り離して単独開催する形では初めてとなる日中韓首脳会談を開催する。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812130202.html