2008年12月13日(土) 13時29分

＜日中韓首脳会議＞福岡で開幕へ　経済危機克服に結束（毎日新聞）

　麻生太郎首相、中国の温家宝首相、韓国の李明博（イミョンバク）大統領は１３日午前、福岡空港に到着し、福岡県太宰府市の九州国立博物館で午後に開かれる「日中韓首脳会議」に臨む。米国に端を発する金融危機がアジアの実体経済にも深刻な影響を与えている事態を受け、東アジアで大きな経済規模を占める３カ国の首脳として危機克服に向けた「結束」をアピールする考えだ。

　麻生首相はこれに先立ち、李大統領と福岡市内のホテルで会談した。韓国政府によると、先の６カ国協議で北朝鮮が核計画の検証方法の文書化に応じない姿勢を示したことに両首脳は遺憾の意を表明。北朝鮮の非核化に向け日米韓で緊密に連携していくことを改めて確認した。麻生首相は拉致問題解決のため、韓国の理解と協力を求めた。

　麻生首相はまた、会談で「未来志向の成熟したパートナーシップ関係を作っていきたい」と述べ、李大統領は「日中韓の首脳会議が行われることは特別な意味がある」と応じた。若者が訪問国で働きながら旅行することを認めるワーキングホリデービザの参加者上限を来年は７２００人に倍増させ、１２年までに１万人に拡大することで合意した。

　日中韓首脳の会議は９９年、マニラで開かれた東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）会議から始まった。当時の小渕恵三首相の提唱で、金大中（キムデジュン）・韓国大統領、朱鎔基・中国首相と朝食会で顔を合わせた。

　以来、過去８回の会議は国際会議の場を借りたものばかりで、独立して開かれるのは今回が初めて。今後は、３カ国の持ち回りによる年１回開催で合意する見通しで、小泉純一郎元首相の靖国神社参拝問題などで対話が途絶えることもあった首脳の交流は新たな局面を迎える。

　日中韓首脳会議では、金融・経済問題のほか、北朝鮮の核問題も協議する。３首脳は会議後、協力の基本原則として、開放性▽透明性▽相互の信頼▽共益▽多様な文化の尊重−−を盛り込んだ「パートナーシップ共同声明」に署名。１３日夕、共同記者会見に臨む。

【川上克己】

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