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2008年12月13日(土) 12時05分

米が北朝鮮への重油支援停止へ、検証問題決裂で読売新聞

 【ワシントン=小川聡】北朝鮮の核問題を巡る6か国協議首席代表会合が核検証手続きに関する文書作成で合意できず終わったことを受け、米国務省のマコーマック報道官は12日の記者会見で、「検証の枠組みを欠く状況では今後、重油の輸送が進むことはない」と述べ、北朝鮮への重油支援を停止する考えを表明した。

 報道官は「北朝鮮以外の5か国が一致している」としており、協議参加国の支援が中断することになる。

 ブッシュ米政権は、拉致問題の進展がないことを理由に日本が先送りしているエネルギー支援について、オーストラリアなどに肩代わりを求め、核施設の無能力化など北朝鮮による核廃棄に向けた第2段階の早期終了を目指して柔軟姿勢を示してきたが、今回は「圧力」を強めた格好だ。北朝鮮が支援中断に反発するのは必至で、寧辺(ヨンビョン)の核施設の無能力化を再び停止する可能性もある。

 国務省によると、ロシアからの重油が北朝鮮に到着したばかりだが、5か国側による次の重油支援の予定は決まっていないという。米国はすでに20万トン分の支援を完了している。

 首席代表会合の議長声明では、寧辺の核施設の無能力化とエネルギー支援を「並行して実施することで一致した」としていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000020-yom-int