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2008年12月13日(土) 11時52分

<核計画検証>北朝鮮の合意なければ重油支援停止 米報道官毎日新聞

 【ワシントン草野和彦】米国務省のマコーマック報道官は12日の記者会見で、北朝鮮が核計画申告の検証枠組みに合意しない限り「今後、エネルギー支援は行われない」と断言した。支援停止については、6カ国協議参加国のうち北朝鮮をのぞく5カ国が合意しており、北朝鮮も認識しているという。

 エネルギー支援は、北朝鮮の寧辺(ニョンビョン)核施設の無能力化に対する見返りとして、重油100万トン相当が提供されるもの。11日まで北京で開かれた6カ国協議首席代表会合では、北朝鮮の反対で検証枠組みの合意文書化に失敗しており、今回の措置は、メンツをつぶされた米国の報復とも言える。

 支援停止により、北朝鮮が無能力化のペースを落とすなどの反発行為に出ることも考えられる。だが、マコーマック報道官は「これは『行動対行動』の原則だ」と述べ、支援再開の条件は「北朝鮮が検証枠組みに合意すること」と強調した。

 エネルギー支援は6カ国協議参加国が順番で担当することになっており、現在までに半分の50万トンが北朝鮮に届いたとみられる。既に出荷されたロシア分について、マコーマック報道官「止めるのは難しいと思う」と語った。一方、日本が負担を拒否する20万トン分は、協議参加国以外に依頼する準備が進んでいたが、これも中断することになるという。

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