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2008年12月13日(土) 11時24分

<COP14>進展なく閉幕 オバマ政権待ちの温暖化交渉毎日新聞

 国連の「気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)」は、京都議定書に定めのない13年以降の温暖化対策をめぐり、大きな進展がないまま閉幕した。各国は歩み寄る姿勢を表に出さず、対立を回避。交渉のけん引役としてオバマ次期米大統領の参画を歓迎する声だけが目立った。次期枠組みを合意するCOP15まで1年。残された時間は少ない。

 20年ごろまでの温室効果ガス排出削減目標(中期目標)は、13年以降各国に義務付けられる削減量を決めるときに根拠となる重要な数値だ。日本などの先進国は「オバマ政権が正式に始動する前に決めるのは時期尚早」と主張。さらに、新興国に削減を義務付けるかどうかが不透明な段階で中期目標は決められないとした。

 一方、現在は削減義務のない途上国は、50年までの長期目標に反対。長期にわたる削減目標を共有することになれば、何らかの取り組みが求められる可能性があるからだ。日本が「すべての国の行動のために有用」と提案した削減のための手法「セクター別アプローチ」も、目標設定を巡る利害の対立を埋めることはできなかった。

 今回の議論で、先進国と途上国の対立という長年の課題が再び鮮明になったが、合意に向けた建設的な議論はほとんどなかったと言っていい。

 NGO(非政府組織)「気候ネットワーク」の浅岡美恵代表は「京都議定書採択の1年前よりは論点が整理されているが、経済発展に応じた途上国の分類、資金援助の仕組みなど解決しなければならない問題は京都のときより複雑だ。早く交渉のスタート地点に立つべきだ」と訴える。

 停滞を打破するためにも、オバマ政権の始動を待つことなく、あらゆる外交の場で各国が歩み寄りの努力を続けることが必要だ。【ポズナニ(ポーランド)大場あい】

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