記事登録
2008年12月13日(土) 11時12分

<COP14>閉幕 京都後の温暖化対策、6月までに原案毎日新聞

 【ポズナニ(ポーランド)大場あい】国連の「気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)」は13日未明(日本時間同日午前)、京都議定書に定めのない13年以降の国際的な温暖化対策の体制を決める来年のCOP15までの作業計画について各国が合意し閉幕した。6月までには体制の原案が、条約事務局から示されることになった。しかし「世界全体で50年までに温室効果ガス排出量を半減」という長期目標は合意されず、20年までの中期目標も日本など先進国の反対で結論を来年に持ち越した。途上国の温暖化被害対策を支援する資金源などをめぐって、途上国からは不満が噴出した。

 COP14には189の締約国、384のNGO(非政府組織)などから約1万人が参加した。今回は、COP15までの作業計画や、中長期の削減目標など交渉の基本となる事項を協議した。

 その結果、作業計画では「来年は全面的に交渉モードに移行する」ことで合意。先進国に対し中期目標の検討状況の報告を3月までに求めた。条約事務局は6月までに、京都議定書後の国際的な温暖化対策の体制の原案を示すことになった。

 一方、長期目標について、日本は今年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の宣言に基づき「50年までに50%削減」という目標共有を主張したが、途上国側が次の体制で削減義務を課されることを警戒。意見はまとまらず、長期目標の削減幅は盛り込まれなかった。

 中期目標については、日本などが「現段階で中期目標を縛るような表記は時期尚早だ」などと主張。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次報告書に基づき「20年までに90年比で25〜40%の削減が必要」という数値を、部会の報告書に明記したが、「IPCCの指摘を認識する」という昨年12月のCOP13とまったく同じ表現にとどまった。

 <COP14での合意事項>

・先進国は13年以降も国別総量目標による削減義務を負う

・来年は少なくとも4回の特別作業部会を開く。先進国は3月末までに中期目標の検討状況を報告し、条約事務局は6月までに京都議定書後の体制の原案を示す

・先進国全体の中期目標は国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告を認識、検討を開始する

・先進国の京都議定書後の体制での削減幅は、透明性があり理路整然とした方法で決める。各国の削減幅は異なりうる

【関連ニュース】
EU首脳会議:温室ガス削減目標合意 20年までに20%
COP14:日本の「温室ガス50年半減」案盛られず
COP14:閣僚級会合開始 環境相…温室ガス半減合意を
EU:11日から首脳会議 排出量取引強化目指す
COP14:報告書で温室効果ガス削減目標、弱い表現に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000021-mai-int