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2008年12月12日(金) 20時24分

<インサイダー>米系証券元社員に課徴金23万円勧告毎日新聞

 米系大手証券「ゴールドマン・サックス証券」(東京都港区)の40歳代の課長級元男性社員が未公表のM&A(企業の合併・買収)情報を基に株取引したとして、証券取引等監視委員会は12日、証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で課徴金23万円を科すよう金融庁に勧告した。証券会社在籍時の取引について同容疑で勧告するのは初。元社員は調べに容疑を認めている。

 調べでは、元社員は06年7月、焼き肉チェーン店「牛角」を展開する「レックス・ホールディングス」の経営陣が投資ファンドの協力を得て自社買収(MBO)をするとレックス社役員から聞き、同年11月8日、レックス社株17株を約363万円で買い付けた疑い。公表後、全株を売り抜けて約20万円の利益を得た。元社員は以前からの得意客だった役員からMBOについて相談を受ける過程で情報を聞き知った。

 MBOはM&Aの一種で、経営陣が株主の圧力を受けずに事業再生を行うため自社株を買い集めて株式の非公開化(上場廃止)を行う。公表後、株価が上昇する傾向がある。【堀文彦】

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