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2008年12月12日(金) 07時01分

美姫 フリー曲“攻めの”変更スポーツニッポン

 安藤が勝負に出た。フィギュアスケートのGPファイナルは12日、韓国・高陽の高陽アイスリンクで男女のショートプログラム(SP)などを行って開幕する。女子の安藤美姫(20=トヨタ自動車)は、フリーの使用曲を中野友加里(23=プリンスホテル)と同じだった「ジゼル」から「サン・サーンスの交響曲第3番オルガン付き」に変更。11日の公式練習では4回転ジャンプも精力的に跳ぶなど、ファイナル初制覇に意欲を見せた。

 聞き慣れない旋律に乗って安藤が滑り始めた。開幕前日の公式練習で、今季ここまで使用していた「ジゼル」から「サンサーンスの交響曲第3番オルガン付き」に曲を変更したフリーの新プログラムを披露。10年バンクーバー五輪を見据えた前哨戦第1弾とも言える今大会に臨む強い決意の表れだった。

 「今までは曲に自信がなくて変えたけど、今回はいいものをつくろう、いい印象を与えようというプラス思考で変えた」

 3月の世界選手権直前にもSP使用曲を変更したが、今回は意味合いが全く違う。フリーの「ジゼル」は、国内のライバル・中野も今季のフリーで使用。両者が出場した10月のスケートアメリカでは、中野の後に滑った安藤が得点で下回った。完ぺきな演技でなかったのは事実だが、同じ曲を後から演じては、ジャッジに“二番煎じ”と映りかねない。「印象が薄れるという意味もある。同じ曲が続くと難しいのかな」

 同大会後に変更を視野に入れた安藤は、11月の中国杯前にモロゾフ・コーチとCDショップに足を運んで選曲。「曲名なんだっけ?分かんな〜い」とおどけながらも、今大会に向けて新プログラムで調整してきた。

 公式練習では6人の最後に、浅田が曲をかけて滑っている時に、韓国入り後は跳んでいなかった4回転サルコーに突然チャレンジ。4度の挑戦で2回転倒するなど完ぺきではなかったものの、浅田に集まる注目を“強奪”した。7日には「ジャンプが何も跳べない」と明かしていたが「気持ちを強く持っていきたい」と復調してきた。新プログラムと4回転。観衆とジャッジの視線を独り占めにする準備は整った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081212-00000035-spn-spo