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2008年12月12日(金) 07時01分

景気底入れにらみ小型車シフト加速 トヨタ「iQ」米市場投入産経新聞

 “大型車天国”といわれた米国でも、これまでのガソリン高と節約志向を背景に小型車シフトが加速している。小型車開発で出遅れた米ビッグスリーは、政府の救済にすがる経営危機にひんし、トヨタも米国での大型ピックアップトラックへの傾斜が、今期の営業利益予想を1兆円も下方修正する業績悪化を招く一因となった。iQ投入は、トヨタにとってドル箱である米国事業を立て直しを占う上での試金石にもなりそうだ。

 独ダイムラーが今年初めに米国で投入した全長2・72メートルの「スマート フォーツー」は、10月までの累計で早くも年間目標の2万台を突破した。欧州では「都会の足」として定着したが、米国の都市部でも受け入れられ、「小型車は売れない」との“常識”を覆した。

 6月に初めて1ガロン=4ドルの大台を突破したガソリン価格は、足元で下落傾向にあるが、燃費の悪いピックアップトラックなど大型車の販売は、回復の兆しすらみられない。

 11月の米新車販売はゼネラル・モーターズ(GM)が前年同期比41%減、クライスラーが47%減と壊滅的な打撃を受け、トヨタも34%も落ち込んだ。ビッグスリーの牙城(がじよう)を切り崩そうと、大型車市場に注力した戦略ミスが尾を引いているとの見方は多い。

 米国景気の底入れは来年後半以降と予想する声は多く、新車販売の一段の落ち込みが必至となるなか、トヨタは「ダウンサイジング」を加速し、巻き返しに打って出る。

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