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2008年12月12日(金) 06時58分

酉島製作所が3億6000万円の申告漏れ 大手ポンプメーカー産経新聞

 東証1部上場のポンプメーカー大手「酉島製作所」(大阪府高槻市)が大阪国税局の税務調査を受け、平成18年3月期までの3年間で約3億6800万円の申告漏れを指摘されていたことが11日、分かった。一部は仮装・隠蔽(いんぺい)を伴うとして重加算税の対象となったもよう。

 重加算税や過少申告加算税を含めた追徴税額(更正決定)は約1億2600万円で、同社は全額納付したという。

 関係者によると、同社は、中国・香港に100%子会社の「酉島ポンプ香港有限公司」を設立。別の現地代理店が中国などで獲得した事業を、この子会社を経由させて受注していた。

 この取引について、同国税局は「日本国内の本社が代理店と直接取引すればよく、子会社を経由する必然性がない」などとして、子会社が得た販売差益は本社から子会社に対する供与であり、寄付金にあたると認定。16年3月期〜18年3月期までの差益約3200万円について、重加算税の対象とした。

 また、中東で受注したポンプ関連事業では、赤字だった工事について同社は相手先から工事の「仮完工証明」を得ていたため、17年度中に工事が完成したものとして赤字を計上した。しかし、同国税局は「翌期以降に繰り越すべきで、正しい計上とはみなされない」と判断。約3億3600万円を申告漏れと認定し、過少申告加算税の対象と認定したという。

 民間調査会社などによると、酉島製作所は大正8年創業で資本金は15億9277万円。ポンプメーカーでは業界3位で、海水淡水化プラント用のポンプの分野では世界でもトップのシェアを誇るという。平成20年3月期の売上高は424億円だった。

 同社は「見解の相違はあったが、当局の指摘を受け入れた」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081212-00000506-san-soci