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2008年12月12日(金) 05時35分

還暦ランナー、「東京」走る=レースを楽しむ松田千枝さん時事通信

 30年の歴史に幕を閉じた東京国際女子マラソンと共に歩んできた女性ランナーがいる。松田千枝さん(60)。1979年の第1回大会に参加、11月16日の最終レースで市民の部に出場し、これが通算27度目となった。
 「(東京国際の)路面も空気も最後。一歩一歩、100パーセントの気持ちで走った」。弱い雨が降り、寒さもある中、一瞬一瞬をかみしめながら完走した。苦しかったという後半は、「力を抜けるだけ抜いて、無駄なものを取った」と言う。
 ベテランらしい落ち着いた走りで、ゴールの国立競技場へ。苦しそうな表情を浮かべる走者をよそに、「感謝と喜びで締めくくりたかった」と笑顔でスタンドに手を振りながらトラックを回った。タイムは3時間21分52秒で、772人中530位。先にゴールしていた娘の玲さんに「よくやったね」と声を掛けられ、健闘をたたえ合った。
 レースで着用したのは上下白地のウエア。短パンの左側部分には、欧州を中心に活動する画家、椎橋和子さんが描いた大きなツバキがあしらわれていた。「還暦なので赤を身に着けた。締めくくりのお祝いの気持ちも込めて」と松田さん。おしゃれ心も忘れず、走る喜びを全身で味わう。
 来年3月の第3回東京マラソンには、夫の泉さん、息子の大さんと一緒に出場する。「当選したんです」と、うれしそう。思い出の詰まったコースから別のコースに移って、再び東京を走る。 

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081212-00000016-jij-spo