記事登録
2008年12月12日(金) 05時23分

通り魔殺人が最多13件に、死傷者42人読売新聞

 今年1〜11月に全国の警察が把握した殺人事件(未遂も含む)は昨年同期比7・4%増の1200件で、このうち路上などで見ず知らずの人を襲う「通り魔殺人」は、統計を開始した1993年以来、最も多い13件に上ることが警察庁のまとめでわかった。

 同庁の吉村博人長官は11日の記者会見で、経済状況の悪化によって、今後も自暴自棄的な犯罪が増える可能性に触れ、繁華街のパトロールなどを強化する方針を明らかにした。

 11月末までの全国の刑法犯は昨年同期比4・9%減の167万4773件で、6年連続減少。このうち窃盗犯が4・1%、粗暴犯が5・8%、強盗も7・8%、それぞれ昨年同期を下回る中、2004年以降、4年連続で減少していた殺人は増加に転じた。

 特に、通り魔殺人は、茨城県土浦市のJR荒川沖駅で通行人ら8人が切りつけられた事件(3月)や、東京・秋葉原の無差別殺傷事件(6月)など多数の被害者が出る事件が相次ぎ、11月末までの死者は11人、負傷者は31人で、いずれも過去最多だった。

 親族間による殺人も48件増の511件で、殺人事件全体に占める割合は過去最高の49・6%。最も多かったのが親子間の殺人で254件に上り、夫婦(内縁を含む)が182件、兄弟が35件、その他親族が40件と続いた。

 動機では、「介護・看病疲れ」(42件)や「子育ての悩み」(30件)が目立った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081212-00000005-yom-soci