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2008年12月12日(金) 14時56分

就労環境悪化で青少年支援30歳以上にも…政府が大綱改定読売新聞

 政府の青少年育成推進本部(本部長・麻生首相)は12日午前の会合で、青少年育成の基本理念などを定めた新たな「青少年育成施策大綱」を決定した。

 従来の大綱は30歳未満の「青少年期」の世代を対象としていたが、「バブル経済崩壊後の就職氷河期を経験した主に30歳代前半の就労環境が悪化している」(内閣府)として、30歳以上の「ポスト青年期」世代も支援の対象に加えたのが特徴だ。

 新大綱では、若者による重大事件が増えている背景として、本人の不安定な就労環境、保護者の経済的な困難など、雇用不安も影響していると指摘。「青少年の健やかな成長を支えることは社会全体の責任」として、官民の連携の必要性を強調した。具体的支援策としては、〈1〉ハローワークにフリーター専用の職業相談員を配置〈2〉若者を一定期間、試用雇用し、常勤への移行を図る「トライアル雇用制度」の拡充——などを盛り込んだ。

 また、子どもが巻き込まれる犯罪が多発しているとして、危険個所への防犯カメラの設置を提唱。子どもの携帯電話所持については、学校が利用に関するルールを明確化し、子どもを有害情報から守る体制作りを推進するとした。児童買春の温床とされる「出会い喫茶」への18歳未満の利用に対し、関係法令を活用した入店取り締まりに努めるとともに、自主的な入店規制を働きかけることも明記した。

 大綱は2003年12月に策定され、今回が初の改定となる。首相は会合で、新大綱に盛り込んだ施策実現のための新法を、来年の通常国会に提出するよう、関係閣僚に指示した。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20081212-OYT1T00328.htm