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2008年12月12日(金) 16時40分

国内企業がリストラの嵐の中、雇用囲い込み 関西大手タクシー会社が「1万人雇用創出」を発表MONEYzine

「失業者の受け皿になれば—」
 京都市に本社を置くエムケイタクシーは11日、新たに従業員1万人を雇用する計画を明らかにした。同社が「MKタクシー緊急全国雇用創出計画」と題して発表した雇用創出計画は、すでに営業している地区と営業開始予定の札幌や横浜などあわせて10地区で、今後1年の間に運転手などの従業員を新たに1万人雇用するというもの。社員は現在の3000人から1万3000人に増えることになる。

 金融危機の影響で国内は景気後退が進んでおり、毎日のように国内企業によるリストラが発表されているが、そのような中、エムケイタクシーは失業者に対する受け皿を提供するとともに事業の拡大を狙う。雇用はハローワークなどで募集を始める予定だ。

 エムケイタクシーを運営するエムケイグループは京都のタクシー会社の大手の1つで、独創的なサービスを武器にこれまで成長してきた。従業員の制服を森英恵やコシノヒロコの次女である小篠ゆまなどの一流デザイナーに依頼しマスコミでも話題になったこともあるが、業界では規制緩和の旗手として知られている。それまでタクシー業界で疎かにされていた接客の改善に重点を置き、ハイヤー並のドア開閉サービスやきもの割引、バス並みの運賃を実現した「空港乗り合いタクシー」など、既存のタクシー会社が行っていなかったサービスを次々と打ち出してきた。

 一方で革新的な経営方針は、既存事業者や事業者統括団体等との摩擦も生み「業界の輪を乱す」等の批判も受けることがあったが、現在でも積極的な全国展開を図っており、今回の大量雇用計画においても全国から人員を募集する予定だ。

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