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2008年12月12日(金) 08時26分

宮崎たかゐさんの映画完成 売春防止法制定に尽力東京新聞

 旧労働省の鹿児島婦人少年室長を務め、売春防止法の制定や働く女性の地位向上に尽力した宮崎たかゐさん(1905−84年)の功績を見つめ直す記録映画が完成した。鹿児島市で13日、上映会が開かれる。

 映画「戦後女性史発掘 宮崎たかゐの場合」は、宮崎さんが女性の労働環境を調査したアンケートや生前の写真など、長女の川崎洋子さん(79)=同市=が保管していた資料を基に、半生を紹介。川崎さんは「母は明るい人で、料理も上手だった。生涯を掘り起こしてくれるのはうれしい」と話している。

 長野市出身の宮崎さんは戦前、1歳の長女を鹿児島県の夫の実家に預け米国へ留学。帰国後の52年、初代の鹿児島婦人少年室長となり、勤務時間外にも売春宿を回って女性を自宅に引き取るなど救済に奔走した。

 54年に鹿児島で明るみに出た少女売春事件を契機に、集会を開いたり市川房枝参院議員に働き掛けたりして、国会で繰り返し廃案になっていた売春防止法案成立(56年)への機運を高める運動に取り組んだ。

 映画は小川美沙子鹿児島市議(56)が制作。全国の労働組合や女性センターの研修用にDVD(33分、2000円)を販売する。問い合わせはオフィス未来、電話099(265)3787。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008121201000020.html