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2008年12月12日(金) 07時44分

通り魔被害最悪42人 1−11月、刑法犯全体は減少東京新聞

 今年1月から11月末までに全国で発生した通り魔殺人事件(未遂を含む)は13件で、死傷者は42人と統計を取り始めた1993年以降で最悪となったことが、警察庁のまとめで分かった。刑法犯全体が減少し続けている中で、無差別殺傷事件だけが増加している実態が浮き彫りになった。

 死傷者の内訳は死者11人、負傷者31人。これまで最も発生が多かったのは96年の11件、死傷者32人で、ともに過去最多に。17人が死傷した6月の東京・秋葉原での事件後、インターネット上への犯行予告の書き込みが頻発し、78人が検挙されている。

 3月に茨城県土浦市のJR荒川沖駅付近で無職の男が8人を次々と刺し、1人が死亡、7人が負傷。東京・秋葉原の事件は、歩行者天国の路上に派遣社員の男が2トントラックで突っ込み通行人をはねたうえ、「ダガーナイフ」で次々と刺し計7人が死亡するなどした。両事件の死傷者が通り魔殺人全体の6割を占める。

 刑法犯の認知件数は2003年から連続して減少しており、昨年の殺人の認知件数も1199件で戦後最少を記録した。しかし、今年11月までの殺人の認知件数は1200件で、すでに前年1年間を上回り、前年同期比で83件(約7%)増。

 今年1−11月期の刑法犯認知件数は約167万5000件と前年同期比で8万7000件(約5%)減少。通年でも昨年を下回り、6年連続減少となる見通し。刑法犯に占める割合が最も多い「窃盗犯」は4・1%減の126万2670件で、事務所荒らしや出店荒らしなどが大きく減少している。刑法犯全体の検挙率は0・2ポイント減の32・0%。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008121290074417.html