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2008年12月12日(金) 13時34分

大成社員ら3人を書類送検…渋谷の温泉「シエスパ」爆発事故スポーツ報知

 東京・渋谷の女性専用温泉施設「シエスパ」で昨年6月、従業員3人が死亡した爆発事故で、警視庁捜査一課は12日、施設の安全管理を怠り爆発事故を引き起こしたとして、業務上過失致死傷の疑いで、施設を建設した「大成建設」(東京都新宿区)設計担当者の角田宜彦プロジェクトリーダー(50)と開業時の運営会社「ユニマット不動産」(東京都港区)保守管理担当の菅原啓之取締役(46)、同社社員(41)の3人を書類送検した。

 調べでは、3人はガス配管の水抜き作業やガス検知器の設置などを怠り、爆発事故を起こして8人を死傷させた疑い。

 捜査一課は、大成建設側がメタンガスを外部に排出する配管に水がたまる危険性を認識しながら、水抜き作業の必要性をユニマット側に伝えず、ユニマット側もガス検知器を設置するなどの安全対策を怠ったと判断。

 その結果、配管を逆流したメタンガスが、従業員がいた機械室の建物に充満し、制御盤の火花が引火して爆発事故が起きたと結論付けた。

 角田プロジェクトリーダーは「水抜きについての説明を失念していた」、菅原取締役は「安全対策に対する危機意識が足りなかった」とそれぞれ話し、容疑を認めているという。

 シエスパでは、開業以来、一度もガス配管の水抜き作業が行われていなかった。ガス配管はU字形の構造で結露した水がたまりやすい構造になっていた。

 事故は昨年6月19日午後2時半ごろ発生。従業員の日詰真里さん(51)、千財明菜さん(23)、藤川広美さん(22)の3人が死亡。通行人ら5人が重軽傷を負った。

 シエスパは事故後の昨年7月、廃業届を渋谷区役所に提出している。

 大成建設広報部「事故で亡くなった方々に心よりご冥福をお祈り申し上げるとともに、遺族には深くお悔やみ申し上げます。社員が書類送検されたことを大変重く受け止め、捜査には引き続き全面協力します」

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081212-OHT1T00220.htm