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2008年12月12日(金) 06時02分

日本全国万引きの旅!盗んだ金で観光地転々2年間スポーツ報知

 万引きやひったくりで旅費を稼ぎ、約2年間にわたり全国の観光地を転々としていた男が逮捕された。大阪府警泉佐野署が11日、強盗致傷容疑で逮捕したのは住所不定の無職・日根野谷義幸容疑者(47)。「観光地が好き」という同容疑者は「記念のため」に買ったという電車の切符を約120枚所持していた。切符を見ながら思い出を懐かしむように約100件、100万円以上の余罪を供述しているという。

 和歌山発、石川着の全国泥棒ツアー—。日根野谷容疑者は「観光地が大好きで、万引きやひったくりを繰り返して旅費を稼ぎ、北海道から福岡まで約2年間逃げた」と供述。同容疑者は2006年6月に同署から自転車の窃盗容疑で指名手配され、当時住んでいた泉佐野市内の自宅から逃走していた。「もともと借金がかさんでおり、取り立てから逃れるためだったようだが、旅の途中から目的が変わったようだ」(同署)。

 日根野谷容疑者は全国を転々と移動する際、使用する切符とは別に「記念のために」と1区間分などを余分に購入。逮捕時には約120枚も所持していた。「1枚、1枚の切符を見ながら、ここではこんな悪いことをした…というように話している。逃走中の思い出に浸っていたのかも」と泉佐野署。“思い出のチケット”が余罪追及に思わぬ効果を発揮した。

 調べによると、一番日付の古い切符は和歌山県内の駅のもの。その後は西へ向かい九州で折り返して北上。今度は逆に北海道から南下し、今年4月29日に石川県警に自転車窃盗容疑で逮捕されるまで泥棒行脚を続けていた。

 約100件、100万円以上の余罪を白状しているが、2年間の逃走資金としては不足気味。同署は「電気釜を盗んだケースもある。自炊目的ではなく換金目的で万引きし、リサイクルショップなどで売っていた。石川ではロースハムを万引きしており、盗んだ食料品を食べていたようだ」と説明。当初は野宿していたようだが「温泉地などでの寝泊まりは、健康ランドの休憩室のようなところで雑魚寝などをしていたようです」という。

 現在、裏付けが取れた余罪は24件、約50万円分。被害届から確認がとれた同容疑者の訪問先は13道府県。「まだ話していない余罪もあると思う」(同署)といい、調べを進めている。

 同容疑者は、06年6月、泉佐野市で現金約200円入りの女性のかばん(時価1万4000円)をひったくり、転倒させて左大腿(だいたい)骨骨折の入院1か月のけがをさせた強盗致傷容疑で11日に逮捕された。4月に自転車窃盗容疑で石川県警が逮捕。別の自転車窃盗容疑で指名手配していた大阪府警に移送されていた。別の窃盗罪など4件で起訴されている。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081212-OHT1T00092.htm