記事登録
2008年12月12日(金) 23時17分

「死んでも取り立てる」完済した男性にも執拗に… 脱法「サービサー」産経新聞

 「お前が死んでも取り立ててやる」「金を返さないのは泥棒と一緒や」

 大阪市内に住む60代の被害男性は、貸金業「レオン」(大阪市中央区)の従業員から浴びせられた過酷な言葉が忘れられない。悪質な取り立てに約2年間、苦しめられたという。

 男性は約8年前、不動産売買に絡み大阪市内の金融業者から年利29・2%で約24万円を借り、3カ月後すぐに完済した。しかし、平成18年12月、レオンから突然、「金融業者から債権を譲渡した」との通知書が送付されてきた。書類に記載されていた請求金額は129万円、利息だけで79万円になっていた。

 「むちゃくちゃな金額だと思った。返済していたのでそのまま放っておいた」

 金融業者に提出していた借入申込書を悪用した架空請求だった。そこからレオンの執拗(しつよう)な取り立てが始まる。

 「当方は貴殿と十分に話し合い穏便に解決する用意があります。ご連絡がない場合は、強制執行(差し押さえ)への移行など、断固たる処置をとります」。赤字で「最終通告」と印字された債務返済要求書が毎月のように送られてきた。

 「死んでも取り立ててやる」といった恐喝まがいの電話が自宅にも相次ぎ、「近日中に訪問する」との電報も。「お前が代わりに払え」と、関係ない義母の自宅にまで取り立て電話があった。

 男性は近隣の警察署にも相談していたが、「金を払っていないなら事件にならない」と取り合ってくれなかったという。「こちらは借金を返済したという証拠を持って断固たる態度を示して戦った。気の弱い被害者の中には払ってしまった人もいるのでは」と話した。

【関連記事】
70億の不良債権、11億回収 脱法「サービサー」起訴
【無許可債権回収】大阪地検特捜部、「レオン」社長ら3人逮捕
貸金業者が無許可で債権回収 大阪地検、逮捕へ
司法の信用が…京都家裁書記官、実務知識を悪用
京都家裁書記官を逮捕 振り込め凍結口座から現金引き出し、全国の地裁に偽造判決書送付か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081212-00000634-san-soci