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2008年12月11日(木) 21時40分

<6カ国協議>文書合意できず閉幕 次回日程も決まらず毎日新聞

 【北京・大谷麻由美】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の首席代表会合は4日目の11日、核計画の検証方法に関する文書化で合意できず、次回日程も決められないまま閉幕した。核の検証方法の争点であるサンプル(試料)採取をめぐり、文書に明記すべきと主張する日米韓と、これを拒否する北朝鮮の溝を埋められなかった。

 協議筋によると、米首席代表のヒル国務次官補は参加国に「ブッシュ政権任期内に米朝協議を行う考えはない」と説明した。次回カ国協議の開催も来年1月のオバマ米政権誕生後に持ち越されるのが確実になった。

 議長国・中国の武大偉外務次官が発表した議長声明は、検証方法に触れず、昨年10月に合意した第2段階措置の実現を目指し、エネルギー支援の「国際社会の参加を歓迎する」と表明。次回協議の「早期開催」を確認しただけだった。日本首席代表の斎木昭隆・外務省アジア大洋州局長は声明について「実質的成果はほとんどなかった」と語った。

 検証方法について合意できかなかったことを受け、韓国の金塾(キムスク)朝鮮半島平和交渉本部長は会見で「(無能力化の見返りのエネルギー)支援を継続するかは本国に帰って検討する」と留保を示唆。一方、北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)外務次官は首席代表会合で「支援に合わせ(核施設)無能力化の速度を調整する」と反発したという。

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