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2008年12月11日(木) 21時21分

<与党税制改正大綱>中小企業の法人税軽減…12日に決定毎日新聞

 自民、公明両党は11日、09年度税制改正大綱を固めた。中小企業に対する法人税の軽減税率(現行22%)を09年度から2年間は年間所得800万円以下の部分を18%に引き下げる。不動産市場を活性化させるため09年から2年間に購入した土地を5年以上保有すれば、売却時の譲渡益を最大1000万円まで課税所得から控除する。一方、社会保障費の抑制幅を当初目標の2200億円から圧縮する財源として当て込んでいたたばこ増税は見送る方針だ。

 ◇たばこ増税見送り

 政府は当初、たばこ1本3円(1箱60円)増税して千数百億円の財源を確保し、社会保障費の抑制幅を圧縮する方向で検討、麻生太郎首相は10日、与党税調に協力を要請した。しかし、与党内部に反対論が根強く、結局、新たな財源を探さなければならなくなった。

 09年度大綱は、住宅ローン減税について所得・住民税からの控除額を過去最大規模の600万円に拡大するなど、景気対策と選挙対策を兼ねた政策減税がズラリと並び、財政再建棚上げを鮮明にする内容となった。自民、公明両党は12日の与党税制協議会で大綱を正式に決める。

 大綱に盛り込まれた土地譲渡益の最大1000万円までの所得控除制度で、地方を中心に「土地を売買した人の約6割は土地譲渡益にかかる課税がゼロ」(自民党税調幹部)になるという。中小企業支援では、赤字転落した場合に前年度に納めた法人税の一部を還付する制度の対象を、「設立5年以内の新興企業」から、資本金1億円以下のすべての企業に拡大する。

 国税の法人税率は原則30%だが、中小企業には現在、年間所得のうち800万円を超える部分に30%の税率が課され、800万円以下の部分には22%の軽減税率が適用されている。09年度から2年間は、この軽減税率を18%に引き下げる。

 住宅関連では、一般住宅で最大500万円、耐震性に優れた長期優良住宅(200年住宅)は最大600万円の住宅ローン減税のほか、200年住宅を手持ち資金で建てた場合も一般住宅より割高な工事費(最大1000万円)の10%を課税所得から差し引く制度を設ける。

 さらに、低公害車購入時にかかる自動車重量税と自動車取得税を50〜100%軽減する措置を新設する方針。【赤間清広、井上俊樹】

 ◇09年度与党税制改正大綱の主な内容◇

 ▽住宅ローン減税は住民税も対象とし、最大減税額を長期優良住宅(200年住宅)は600万円、一般住宅は500万円に拡充

 ▽不動産取得税の軽減税率適用期間を3年間延長。今後2年間に購入した土地の譲渡益を1000万円まで課税所得から控除

 ▽証券優遇税制を3年間延長

 ▽低公害車購入時に自動車重量税と自動車取得税を100〜50%減免する制度を新設

 ▽中小企業の法人税の軽減税率を22%から18%に引き下げ

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