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2008年12月11日(木) 21時12分

<教科書検定制度>改定案を了承…審議会合同作業部会毎日新聞

 文部科学省は11日、教科書検定制度の透明化などを盛り込んだ制度改定案をまとめ、教科用図書検定調査審議会の合同作業部会で了承された。案には「定説とされる学説が確定していない場合、複数学説の一つのみを断定的に記述すること」を認めないことなどが新たに明記された。

 「公正・中立な記述」の基本方向に関し、新学習指導要領に「愛国心」について記載されていることを挙げ「これらの方針や目標を踏まえバランス良い考え方を身につけられるような教科書」が求められると例示した。

 沖縄戦の集団自決を巡る06年度検定では、「軍の強制」の記述に文科省が検定意見を付けたが、学説が確定していないことなどが背景にあった。例示には、歴史認識などを巡る記述に対し、文科省の意向をより強く反映させていく狙いもあるとみられる。【加藤隆寛】

 ◇「改定案撤回を」…市民団体が要請

 市民団体「子どもと教科書全国ネット21」(事務局・東京都)や沖縄県民の組織など5団体が11日、教科用図書検定調査審議会の作業部会で了承された検定制度改定案に対し、「国が教科書をより統制する制度への改悪だ」などとして、白紙撤回を求める要請文を文部科学省に提出した。【加藤隆寛】

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