記事登録
2008年12月11日(木) 16時46分

【総連事件調べ官尋問】ゲラゲラ笑いながら供述産経新聞

 《自供を始めた満井忠男被告が、どういうふうに詐欺を認めたのか、B検事は取り調べの状況を詳細に証言していく。尋問する検察官は引き続き、平成19年5月31日に満井被告が緒方重威(しげたけ)、河江浩司両被告と会談した際についての取り調べを詳しく聞いていく。この会談では、満井被告らが、朝鮮総連中央本部の土地・建物の売買資金も調達できていないのに、登記を移転させ、だまし取ることを計画したとされる》

 検察官「この日のことについて、ほかに記憶に残っていることはありますか」

 B検事「満井さんは『緒方先生が(売買資金の支払いを後回しにした)登記先履行にグイと舵を切られたのです』と言っていました」

 《B検事は、両手で握ったレバーを、左に傾けるような仕草をする》

 検察官「そのような仕草をしたのですか?」

 B検事「はい」

 《検察官は、詐欺は緒方被告が主導したと強調させた》

 検察官「満井被告はなぜ自供したと思いますか?」

 B検事「一つは、(中央本部の)売買記録と矛盾した供述調書を録取され、『矛盾することを言ってはダメだ』と思ったのではないでしょうか。また、それまでに(取り調べを通じて)私との人間関係ができていたので、『いい加減なことを言ってはいけない』と思ったのではないでしょうか」

 検察官「人間関係はできていたと、思えることはあったのですか?」

 B検事「私が広島県呉市の出身という話をすると、満井さんが『(第二次世界大戦で?)ガダルカナル島で亡くなった父親を最後に見送ったのは呉だ。検察官とは運命的な出会いを感じる』という話をしていました」

 検察官「その後の取り調べは、どういうものでしたか?」

 B検事「つきものがとれたというか、緒方先生をかばうことはありませんでした」

 検察官「(逮捕後の)7月10日に、満井被告から『総連から引き出した資金について、緒方被告に伝えていた』とする供述調書をとりましたね。どういうやりとりをしたのですか?」

 B検事「はい。満井さんが『お金のやりとりについて、緒方先生に話をした』と言うので、いつ、どういうやりとりをしたか問いただしました。そのときは『総連から3億円受け取る前後に、緒方先生に電話などして、これこれこういうことでお金を出してもらうとか、出してもらいましたとか、話をしました』と言っていました」

 検察官「ほかに覚えていることは?」

 B検事「平成19年4月中旬ごろの緒方先生と満井さんのやりとりとして、『売買代金の前に(総連から)3億円を出してもらうと、緒方先生に伝えると、緒方先生はそうですか、と言われた』という話をしていました」

 検察官「平成19年6月13日、緒方被告が記者会見した際のことについては、満井被告は何か言っていましたか?」

 B検事「満井さんはゲラゲラ笑いながら供述していました。『(会見で)緒方先生は、着手金は別として報酬は受け取っていない、という話をしていましたが、実際は受け取っていた。あとでばれたら目も当てられない。記者は話を引き出すのがうまいから、慣れてない人間が記者会見なんかやるもんじゃない』と」

 検察官「7月14日に(総連から4億8400万円を引き出した)現金詐欺を認める供述調書をとっていますが、満井被告はどういう状況でしたか?」

 B検事「あることをあることとして、話をしていました。私は勝手に(この調書のことを)『ギャランティー調書』と呼んでいるのですが、満井被告は『19年4月中旬に緒方先生が、私に金銭的な保証がないと前に進めないと言った』という話をしました。それを調書にすると、満井さんは『保証はギャランティーという言葉に変えてほしい』と言ったので、変えました」

 検察官「東京都内のすし店で会った際のことは?」

 B検事「満井さんは『緒方先生が、河江さんは金主(投資家)を探す役で私は(中央本部を形式上、購入する)受け皿の代表となるので、それぞれ報酬を考えてほしい、と伝えてきました』と言っていました。それから、さっきの『ギャランティー』という言葉に変えさせた理由を聞くと、満井さんは『緒方先生は言葉の端々に英語を入れる人だから』と言っていました」

 検察官「7月19日、現金詐欺の容疑で逮捕され、勾留(こうりゅう)決定があった際に、弁解録取書をとりましたね。そのときの様子は?」

 B検事「特に反抗的な態度ではなかったのですが、『3億円は金主の必要費用だった』というようなことを言っていたので、『なんかおかしいことを言っているな』と思いました。被告が裁判所に行くと、怖くなって、その場限りの弁解をすることはよくあることなので、満井さんも緊張しているなと思いました」

 検察官「翌日、取り調べをした際は、どうでした?」

 B検事「満井さんに『(前日の)あなたの話は矛盾するではないか』というと、満井さんは言葉に窮してました。被告にはよくあることなので、『気持ちの整理ができてないんだ』と思い、問い質しませんでした」

【関連記事】
「今に見ていろ」と北朝鮮 総連団体捜索で報復示唆か
取り調べ検事出廷「被告はしんみりした様子で罪を認めた」
「弾圧反対」「警察帰れ」とシュプレヒコール 税理士法違反
「総連」と「創価蛾会」爆破と書き込み書類送検
「帰れ、帰れ」総連関係者が怒号

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000573-san-soci