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2008年12月11日(木) 16時46分

【総連事件調べ官尋問】総連副議長の“関与”を完全否定産経新聞

 《満井忠男被告の男性弁護人が、満井被告の取り調べにあたったB検事への質問を続ける。この弁護人はこれまでの公判で、検察官や裁判官から「質問の趣旨が分かりづらい」と度々注意を受けている》

 満井被告の弁護人「現金詐欺の関係についてうかがいます。満井さんは(朝鮮総連から受け取った)4億8400万円について、誰と話したと言っていましたか?」

 B検事「(朝鮮総連の)趙孝済(財務担当常任委員)さんという方です」

 《検察側は、満井、緒方重威(しげたけ)の両被告が平成19年4月、「プロジェクトを組み直す違約金」などといって総連から計4億8400万円を詐取した、と指摘している》

 満井被告の弁護人「満井さんの話では、(総連の)許宗萬(責任副議長)さんと話を詰めたということでしたが、そういう供述はありませんでしたか?」

 B検事「でていませんでした」

 満井被告の弁護人「検察官の方にこういうことを聞くと、否定されてしまうんですがね」

 《B検事が否定することを予想していたのか、弁護人は自嘲気味に話すとこう続けた》

 満井被告の弁護人「もう1回聞きますが、この売買についての決裁権は許さんにあり、満井さんは『(総連中央本部の売買案件については)許さんと話をしていた』と言っていたのではないですか?」

 B検事「そういう話はありませんでした。恥ずかしながら、私はどの方に決裁権があるか知らず、許さんが総連の中でどのぐらいの力を持っているかも知りませんでした」

 《許責任副議長は総連の実質的な「ナンバー1」とされる実力者だ。満井被告はこれまでの公判で「売買をめぐるやり取りには許さんもかかわっていたが、検察が許さんの名前を表に出すことを嫌がり、調書にも書かなかった」と証言。「調書は検察官が作ったストーリー」と批判していた》

 満井被告の弁護人「検察庁が公正証書不正登録で(許さんを)あげようとしていたという話がありませんでしたか?」

 《B検事の証言の信憑性に疑問を投げかけた。しかし、突然飛び出した情報に、男性検事が「ちょっとそれは…」と制すると、弁護人も「じゃあ、やめます」と話題を変えた》

 満井被告の弁護人「(19年)6月24日から任意の調べに入り、6月28日に逮捕しています。まず、在宅の段階では、(公正証書)原本不実記載で調べていたのですか?」

 B検事「罪名はそうですが、その際満井さんには『現金(の動き)についてもお尋ねします』と言いました」

 満井被告の弁護人「不動産詐欺で逮捕された6月28日の段階でも『現金について尋ねます』ということは満井さんに伝えたんですね」

 B検事「それは任意の時にも言っていますので、(逮捕で)身柄を拘束してから改めては言っていません。不動産詐欺の経緯で、総連からお金を受け取っているので、それは当然聞きますから」

 満井被告の弁護人「そのことは満井さんに説明しましたか?」

 B検事「いや。任意の段階ですでに説明しており、それは満井さんも分かっています」

 満井被告の弁護人「分かっていれば、逮捕段階では告げなくてもいいということですね」

 B検事「そうじゃないですが…」

 満井被告の弁護人「そういうことじゃないですか。ま、やめます。水掛け論になりますから」

 《取り調べの手順が適正に取られていたか、確認したかったようだ。ここで、質問者がもう1人の男性弁護人に交代した。ここでも話題になったのは許副議長の存在だ》

 満井被告の弁護人「不動産詐欺について、あなたは誰が(中央本部の)処分権者だと思いましたか」

 B検事「満井さんは『趙さんとこういうやり取りがあった』と話していたので、私はそれを録取しました」

 満井被告の弁護人「つまり検察は、処分権者は趙さん、という見解だったということですね」

 検察官「異議あり! それは証人の見解を聞いているのですか。検察全体について聞かれても…」

 満井被告の弁護人「では、あなたはどう思いましたか?」

 B検事「趙さんだと思っていました」

 満井被告の弁護人「あなたは許さんは処分権者ではない、という見解で録取していたのですか」

 B検事「おっしゃっている意味が分からないが、私がやったことは満井さんの言ったことを録取することです」

 《B検事は調書の内容に脚色を加えていないことを強調した。ここで、質問者が先ほどの男性弁護人に戻る》

 満井被告の弁護人「総連で取り調べの対象となったのは、趙さんだけですか?」

 B検事「知りません」

 満井被告の弁護人「許さんが取り調べのため、検察に呼び出されたという情報がありますが?」

 B検事「分かりません」

 満井被告の弁護人「秘密の情報だから証言できないということですか?」

 B検事「私は分かりません、としか申し上げられません」

 満井被告の弁護人「許さんと満井さんが、本件売買について相談したという供述はありませんでしたか?」

 B検事「はい」

 満井被告の弁護人「そういった内容を記載した、満井さん本人のメモなどもありますが…」

 B検事「メモの正確性、信用性は分からないですが、少なくとも私がそういう話を聞いた覚えはありません」

 《弁護側はなんとか許副議長の話に結びつけようとするが、B検事はとりつく島もない様子だ》

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