【ワシントン10日共同】妻の健康不良が理由でスウェーデンでの授賞式を欠席した南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(87)に対して、スウェーデンのヨナス・ハフストロム駐米大使は米中部時間10日午後(日本時間11日未明)、米シカゴ大で開かれた式典で、ノーベル物理学賞のメダルと賞状を授与した。
式典は、南部さんの希望で招待客と一部の大学関係者の計200人だけが参加し、インターネットで公開された。
黒い背広姿の南部さんは賞状を受け取ると、「サンキュー、サンキュー」と小声で何度も繰り返した。続いて「自発的対称性の破れへの道」と題して、朝永振一郎博士らの影響を受けた自らの研究生活について英語で講演すると、出席者は立ち上がって拍手、南部さんの栄誉をたたえた。