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2008年12月11日(木) 11時39分

メダル受け取りにっこり…異例の日本語で祝福…ノーベル賞授賞式スポーツ報知

 世界中の科学者が1度は夢見るひのき舞台に、日本人科学者3人が同時に立った。史上初めて日本人4人の同時受賞となった10日のノーベル賞授賞式。妻の体調を理由に欠席した南部陽一郎さん(87)を除く物理学賞の小林誠さん(64)ら3人は歴史が醸し出す荘厳な雰囲気の中、笑顔を浮かべてメダルを受け取り、現代科学を築き上げてきた歴代受賞者の仲間入りを果たした。

 ストックホルム中心部のコンサートホールのステージ最前列にえんび服姿で並んだ3人に対し、ノーベル賞委員会の委員は、授賞理由の説明で日本語を一部使用するなど異例の対応で日本人受賞者を祝福した。

 最初に受賞した小林さんはカール16世グスタフ・スウェーデン国王と力強く握手。メダルを受け取った瞬間、にっこりと笑みを浮かべた。

 小林さんとともに、委員から「心よりお喜び申し上げます」と日本語で祝福を受けた物理学賞の益川敏英さん(68)は、やや緊張した表情で口を真一文字に結び、会場に向かって2度礼をした。

 ひたすら生物の発光の謎を追い求めてきた化学賞の“クラゲ博士”下村脩さん(80)も笑顔でメダルを手にした。

 式後の晩さん会は、荘厳な授賞式から一転、華やいだ雰囲気。3人ともややリラックスした表情で入場した。王妃の隣に座った小林さんは身ぶりを交えて会話し、すんなりと会場の雰囲気になじんでいる様子だった。

 晩さん会後の益川さんは、授賞式での厳しい顔つきとはうって変わって、緊張から解放されたような表情。取材団に「長い間どうもお付き合いありがとうございました」と上機嫌で話した。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081211-OHT1T00206.htm