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2008年12月11日(木) 06時02分

また引きずり死亡事故!運転手は81歳、被害者は72歳スポーツ報知

 福岡県警筑紫野署は10日までに、女性(72)を車でひいて約370メートル引きずって死亡させたとして、自動車運転過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の現行犯で同県大野城市の無職・加納広信容疑者(81)を逮捕した。同容疑者は「気付かなかった」と供述している。今年になって多発している「引きずり死亡事故」が繰り返された形となった。

 たった約100メートルしか離れていない自宅に、被害者の多良和子さんは帰れなかった。事故発生件数の増加から、高齢者の運転についての是非が社会的に問われる中、痛ましい事件が発生してしまった。

 筑紫野署の調べによると、加納容疑者は9日午後5時45分頃、同市内のスポーツクラブの駐車場で、無職の多良さんを軽自動車でひき、駐車場から県道にかけて約370メートル引きずって死亡させた疑い。同容疑者は「何かに当たったとは感じたが、人とは思わなかった」などと供述している。同署は運転歴などについて調べを進めている。

 事故に気付かない加納容疑者の車は走行を続けたが、後続車の運転手が引きずられている多良さんの姿を発見。異変に気付くと、前方に回り込んで同容疑者の車を停止させ、窓を開けて「人をひいています!」と知らせた。ようやく同容疑者は車を降りて現状を把握したが、時すでに遅く、多良さんは頭部複雑骨折などのため即死状態だった。

 県道に面した大型スポーツクラブは昨年7月にオープン。加納容疑者は翌8月から会員になり、ジムで体を動かすことを習慣としており、発生時も運動を終えて帰宅する途中だった。多良さんも会員で、徒歩で家に帰ろうとした矢先、事故に巻き込まれた。事故が発生した駐車場は、200台を収容する広大なスペースがあり、発生当時の時間帯は、死角ができるほど混雑はしていなかったという。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081211-OHT1T00061.htm