記事登録
2008年12月11日(木) 23時45分

「紀元水」17億円の申告漏れ…国税局指摘読売新聞

 宗教法人「紀元会」(長野県小諸市)の創設者の三女(37)が、会員に配った水の販売益を申告していなかったとして、関東信越国税局から2003〜07年の5年間で約17億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。紀元会側は「(水の配布は)宗教活動の一環であり、非課税だ」として異議を申し立てる方針。

 関係者によると、水は「紀元水」と称し、会員に5合(0・9リットル)瓶を3800円程度で配っていたが、販売益は三女名義の金融機関の口座に入金されていたという。宗教法人が宗教活動で集めたお布施などは、税法上の非収益事業にあたり、非課税となる。しかし、国税当局は「水を配るなどして集めた現金は事実上、三女が個人で管理しており、個人の事業所得として申告すべきだった」と認定した。

 教団の創設者は2002年に死亡しており、教団関係者によると、三女は後継者とされている。

 同会が発行した記念誌によると、紀元水は創設者が神の声を受けて発見したとされ、「自ら救いを求めて来る人々のみ与えられる天然の無菌水」としている。非売品のため「会員にお分けしている」という。

 紀元会は1970年の設立。2007年には会員への集団リンチ事件が発覚、創設者の次女ら26人が傷害致死罪などで起訴され、全員が1審で有罪判決を受けた。紀元会側は「申告漏れを指摘されたが、宗教法人の宗教活動によるものであり、課税対象にならないと考えている。今後、異議申し立てをする予定」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000067-yom-soci