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2008年12月11日(木) 22時00分

分権委は四面楚歌 出先機関統廃合に自民猛反発 地方や公明も不満 産経新聞

 政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は11日、国の出先機関の統廃合案を盛り込んだ第2次勧告を自民党側に説明した。出席者からは「勧告を白紙撤回すべきだ」との反対意見が噴出した。6つの出先機関を再編・統合する2次勧告には、分権委の活動を支持する全国知事会や公明党が「不十分」と不満を表明しており、分権委は四面楚歌(そか)の状態だ。

 11日に開かれた自民党の地方分権改革推進特命委員会(委員長・逢沢一郎元外務副大臣)では「分権委の委員は何も知らない」「分権委は無礼だ。政治の声をもっと聞くべきだ」との意見が相次いだ。

 麻生太郎首相は11月、丹羽氏に対し「私が勧告を直接受け取り、決断する」と指示した。このため、分権委は自民党への事前説明を行わないまま今月8日に勧告を首相に提出したのだが、これが自民党側の反発は大きくさせたようだ。

 勧告には「将来的に約3万4600人削減」と具体的な数値を突きつけられた各府省が反発。分権委と歩調をそろえてきた全国知事会も「都道府県への事務の移譲が明示されず、十分ではない」(麻生渡会長=福岡県知事)と逆の立場から不満を表明している。公明党の10日の会合でも「統合案は今の機関をくっつけただけ」との反発が出た。

 丹羽氏は11日の会合後、記者団に対し「真摯(しんし)にいろいろな声を聞き、(詳細を詰める来春の)第3次勧告の議論につなげていきたい」と語ったが、前途は多難だ。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000620-san-pol