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2008年12月11日(木) 21時54分

男子ハンマー投げ・室伏、繰り上げ「銅」…薬物違反2人失格読売新聞

 【ローザンヌ(スイス)=若水浩】国際オリンピック委員会(IOC)理事会は11日、北京五輪の陸上男子ハンマー投げで2、3位となったベラルーシの2選手を、競技後の検査で男性ホルモンのテストステロンに陽性となったため、ドーピング違反による失格・メダルはく奪処分とした。5位だった室伏広治選手(34)(ミズノ)が、繰り上がりで銅メダルを獲得する。

 失格となったのは、2位のワジム・デビャトフスキー選手と3位のイワン・チホン選手。2度目のドーピング違反であるデビャトフスキー選手は、五輪からの永久追放処分となった。

 室伏選手はアテネ五輪でも、1位となったアドリアン・アヌシュ選手(ハンガリー)のドーピング違反で繰り上がりの金メダルを獲得している。

 2大会連続のメダル獲得は、日本の陸上選手で3人目。北京五輪での日本のメダル総数は26(金9、銀6、銅11)となった。

 室伏広治選手の話「メダルを獲得することも素晴らしいことであり、またうれしいことです。しかし私はハンマー投げが好きだからこそ続けてきました。今回、銅メダルをいただくことになりましたが、このメダルは多くの方々のドーピング違反に対する厳しい声と受け止めています」

 日本オリンピック委員会・竹田恒和会長「IOCの的確な判断に敬意を表する。室伏選手の2大会連続のメダル獲得は、日本の陸上関係者や五輪を目指す子供たちを勇気づけてくれるとともに、『スポーツの精神』を証明する上でも絶好の機会。室伏選手には長年の努力が報いられ、私も大変うれしく、今後も引き続き邁進(まいしん)してほしいと思う」

 ◆室伏広治(むろふしこうじ)◆

 1974年10月生まれ。千葉・成田高から愛知・中京大を経てミズノ。日本選手権は95年から14連覇中。自己ベストは2003年6月にマークした84メートル86(世界歴代5位)。世界選手権は01年大会銀、03年大会銅。1メートル87、99キロ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081211-00000063-yom-spo