2008年12月10日(水) 21時29分

＜所得税法違反＞強制送還の弁護士逮捕　大阪地検（毎日新聞）

　大阪市北区の商業ビル転売に絡む脱税事件で、大阪地検特捜部は１０日、逃亡先のフィリピンから強制送還され帰国した元大阪府議の弁護士、小川真澄容疑者（６４）＝大阪市都島区＝を所得税法違反と国税徴収法違反（滞納処分免脱）容疑で逮捕した。「間違いない」と容疑を認めているという。特捜部は、他人になりすまして不正に旅券を取得した旅券法違反容疑でも調べる。

　調べでは、小川容疑者は０６年３〜９月、ビル転売の「分配金」として得た約７億円を申告せず、清算前の知人の会社など２社名義の利益として隠し、所得税約２億５５００万円を脱税した疑い。さらに、９１年に知人の株売買で得た収入約２億円について納税せず、差し押さえを逃れようと資産を隠した疑い。滞納額は０６年時点で延滞税などを含め約３億５０００万円に上る。転売で得た７億円は借金返済や、逃亡を手助けした関連会社への投資に充てたという。

　ビルは、日本料理店などを経営した「多幸梅（たこうめ）観光」が梅田の１等地に所有。小川容疑者は０６年３月、大阪市内の不動産会社などと共同で約３５億円で購入後、同９月、外資系の不動産会社に約５６億円で売却し、利益の３分の１を得たという。

　小川容疑者は特捜部と大阪国税局が関係先の捜索に乗り出した１１月１１日、フィリピンへ逃亡。同２４日、現地の入国管理局に逮捕された。特捜部は係官を派遣し、この日、小川容疑者の身柄を大阪地検に移して逮捕した。【井上直樹】

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