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2008年12月10日(水) 00時00分

学生ら採用減企業が大幅拡大 10年卒、「氷河期」再来も中国新聞

 リクルートの研究機関のワークス研究所が九日発表した二〇一〇年卒の大学生・大学院生の採用調査によると、〇九年より採用を「減らす」と回答した企業は15・7%に上り、前年調査の6・8%に比べ大幅に増加した。逆に「増やす」と回答したのは18・0%から8・3%に大きく減った。

 金融危機に伴う景気低迷やメーカーの相次ぐ減産で、各企業は採用に慎重になっており、一九九〇年代半ばごろからの「就職氷河期」の再来が現実味を帯びてきた。また「分からない」と回答した企業も前年調査の19・9%から25・1%に増えた。景気の先行きが不透明なため、態度を保留している企業が多いとみられ、景気が一段と悪化すれば採用環境がより厳しくなる可能性もある。

 業種別では不動産市況の悪化を反映し、減らすと答えた企業の割合が最も高かったのが不動産業で25・5%。株価下落の影響を受けた証券の23・8%、円高の影響を受けやすい機械メーカーの21・0%が続いた。

 一方で、銀行の61・9%、証券の47・6%が分からないと回答するなど米国発の金融危機がいつごろ解決に向かうのか不透明と感じている企業も多いとみられる。

 「前年と変わらない」と答えた企業は全体の50・6%だった。

 調査は、従業員五人以上の全国約七千二百六十社を対象に実施し、三千百十八社が回答した。ワークス研究所の徳永英子とくなが・ひでこ研究員は「調査の結果、採用環境が前年より悪くなっている」と話していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812100121.html