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2008年12月10日(水) 21時07分

平安貴族の山荘庭園か 滋賀・池の沢遺跡産経新聞

 滋賀県高島市の池の沢遺跡で、京都の有力貴族が行楽で使用したと考えられる鎌倉時代前期の庭園跡の全容が判明し10日、高島市教委が発表した。後世に改修された形跡がないことから、約800年前の作庭技術をそのまま伝えていると考えられ、全国でも例のない遺構という。

【関連フォト】池の沢遺跡で見つかった山荘の庭園跡

 庭園は比良山系最高峰の武奈ヶ岳を望む屈指のロケーションに設けられ、わき水を利用した南北約80メートル、東西約30メートルの池が中心。中島を浮かべて橋を架け、護岸には荒磯(ありそ)風に岩を配置。なだらかな曲線を描いた州浜もあり、平安貴族の文化を色濃く残しているという。

 対岸の「鯖(さば)街道」からの景観も意識したと考えられ、庭園から約20メートル下の安曇(あど)川に注ぐ人工の滝も見つかった。

 庭園史に詳しい京都産業大の鈴木久男教授(考古学)は「壮大かつ秀逸。京都の貴族が街道沿いの宿に泊まり、新緑や紅葉を楽しんだのでは」と話している。

 現地説明会は13日午前10時から開かれる。

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