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2008年12月10日(水) 00時00分

核の試料採取、近い表現で記載 中国が検証文書化で草案中国新聞

 【北京9日共同】北朝鮮核問題をめぐる六カ国協議首席代表会合は九日、北京の釣魚台迎賓館で二日目の協議を開き、議長国中国が焦点である核検証方法の文書化でたたき台となる草案を提示。終了後、日本の斎木昭隆外務省アジア大洋州局長は、核施設からのサンプル(試料)採取が明記されているかどうかについて「考え方として近い表現が書かれていた」と述べ、別の言葉が使われていることを明らかにした。

 韓国の聯合ニュースは同日、協議筋の話として、この表現に六カ国が事実上合意したと報道。同筋は「(試料採取に関する表現は)各国とも大きな争点とみなしていない。問題は別のものだ」と語ったが、具体的内容については明らかにしなかった。試料採取を行う主体や時期、国際原子力機関(IAEA)の役割、未申告施設への立ち入りをめぐり意見が対立している可能性がある。

 斎木氏は十日の合意が「厳しい」との見方を示したが、韓国の金塾キム・スク外交通商省平和交渉本部長は「日程延長の話は出ていない」としており、合意に至らないまま十日にいったん休会する可能性もある。

 ヒル米国務次官補は、草案には検証に用いられる科学的手段が記載されているとしながらも「いくつかの点をより正確にするための意見を出した」とし、必要な措置がより明確に盛り込まれるよう尽力していると語った。斎木氏は「改善の余地がある。日米韓ロで考え方をそろえてアイデアを提示した」と述べた。

 金塾氏はまた「経済・エネルギー協力」作業部会議長国として、エネルギー支援の進め方に関する案を各国に示したことを明らかにした。

 中国が午前の協議で提示した文書草案をもとに、各国が断続的に二国間協議などを行って調整を続けた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812100171.html