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2008年12月10日(水) 00時10分

<広島女児殺害>1審判決破棄 慎重な公判前手続き求める毎日新聞

 9日あった小1女児殺害事件の広島高裁判決は、1審で広島地裁が弁護側が被告の検察官調書に同意していないのに取り調べ請求を却下したことを、「公判前整理手続きの目的に反する」と批判。同手続きが連日行われたにもかかわらず、「争点を顕在化させないまま終結した」と指摘した。

 同手続きは裁判員制度が始まるのをにらみ、公判の迅速化を目指して05年11月に導入された。今回の事件では06年3〜5月に8回行われ、初公判から2カ月足らずで1審判決が言い渡された。関西大の永田憲史准教授(刑事学)は「『早くやればよいというわけではない』という法曹界全体へのアピール」と高裁判決を評価する。

 裁判員制度では国民から選ばれた裁判員6人が1審で重大事件の公判に参加し、裁判官3人と有罪無罪の是非や量刑を決める。死刑などの判断を迫られる場合も予想され、不安の声も出ている。高裁判決は同手続きの慎重な運用を求めたもので、影響は大きい。【矢追健介】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081210-00000002-mai-soci