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2008年12月10日(水) 23時19分

2億5000万円脱税・小川容疑者を逮捕 逃亡先フィリピンから帰国産経新聞

 所得税約2億5000万円を脱税したとして、所得税法違反などの容疑で大阪地検特捜部が逮捕状を取っていた元大阪府議の弁護士、小川真澄容疑者(64)=大阪弁護士会=が10日夜、逃亡先のフィリピンから強制送還されて帰国、関西空港に到着した。特捜部は同日、同法違反と国税徴収法違反(滞納処分免税)の疑いで逮捕。「弁解することはない」と容疑を認めているという。今後、出入国管理法違反など余罪も追及する。

 調べでは、小川容疑者は平成18年、日本料理店「多幸梅」の本社ビル(大阪市)の建物の転売にかかわり、約7億円の報酬を得たにもかかわらず所得を申告せず、約2億5000万円を脱税。これと別に所得税約3億5000万円を滞納していたため、差し押さえを逃れる目的で自身が関係する会社名義の口座にこの報酬を隠した疑い。隠した報酬は借金返済や投資に使ったという。

 小川容疑者は強制捜査前日の11月10日夜、IT会社の社長(31)=犯人隠避罪で罰金刑確定=ら4人に逃亡の手助けを依頼。逃亡資金約250万円を確保して11日未明、他人名義のパスポートを使ってマニラへ逃亡したが、24日に不法入国の疑いで現地の入国管理当局に拘束されていた。

 逃亡中は1泊約2万円の高級ホテルに宿泊。リゾート地のセブ島にも観光で訪れるなど浪費を続け、資金は残り約20万円になっていた。 

        ◇    ◇    ◇

 小川真澄容疑者は関西空港に到着後、報道陣の質問に答えた。主なやりとりは次の通り。

 −−帰国した感想は

 「小川真澄は(大阪地検特捜部の強制捜査が入った)11月11日ですべて終わりました」

 −−脱税容疑の認否は

 「否定することもない。今はまな板の鯉の心境だ」

 −−逃亡中、私設秘書が自殺したが

 「それが一番残念。帰国した大きな原因だ。責任を感じている。『なんでお前が…』という気持ちだ」

 −−なぜ逃亡先がフィリピンだったのか

 「前から逃げるなら中国かフィリピンだと思っていた」

 −−改めて今の心境は

 「(人生を)ゆっくり考え直さないといけない」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081210-00000618-san-soci