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2008年12月09日(火) 18時09分

「道しるべになれば」いすゞ解雇問題 藤沢工場の派遣労働者訴え  産経新聞

 「ほかの社員の道しるべになれば」。トラック大手のいすゞ自動車が派遣社員と期間従業員の計約1400人全員の契約打ち切り方針を打ち出していることを受け、同社藤沢工場(神奈川県藤沢市)で働く派遣社員2人らが9日、厚生労働省で会見し全員の契約解除の撤回や、社宅や寮居住者への退居勧告の撤回を訴えた。

 派遣として工場の組み立てラインで働く神奈川県綾瀬市の長岡利道さん(43)は、「多くの働き盛りの人が契約解除され、このまま放ってはおけないと思った。訴えでることで、他の社員らの道しるべになれば」と強調した。妻と子供4人の6人家族。6年前に購入した家のローン支払いにも支障が出てきたという。「妻には一緒に乗り越えようねって言われているが…。年がちゃんと越せるかどうか」と肩を落とした。

 約3年間働いていた同県鎌倉市の山本秀男さん(34)は「今は呆然(ぼうぜん)としています。怒りをどこに向けていいかわかりません」と消え入りそうな声で話した。

 2人を含む期間従業員と派遣社員計20人が、既存の労働組合に加盟。組合側は同社に対し、11日に団体交渉を申し入れている。

 いすゞ自動車は藤沢、栃木(栃木県大平町)の両工場で働く期間従業員らへの契約を今月26日に解除する方針を公表。栃木工場の期間従業員2人は4日、不当な解雇予告を受けたとして、解雇予告の効力停止などを求める仮処分を申し立てている。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081209-00000559-san-soci