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2008年12月09日(火) 10時42分

【今日のブログ】日本人のナショナリズムと日中関係サーチナ

 中国人は愛国心の強い国民性だというイメージがあるが、中国からは日本人青年の間にもナショナリズムが台頭していると見えるという。このブログは日本人青年の間で台頭し始めているナショナリズムと嫌中、そして今後の日中関係を考察するものである。以下はそのブログより。
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 麻生新内閣誕生後、国際社会はタカ派色の強い麻生首相が外交上において、近隣諸国との関係を損なうような強硬政策を取るのではないかと案じていた。麻生氏が自民党総裁選に当選する前から、日中間の友好関係を維持することは日本の外交政策の重要課題であると示していた。米中関係が良好に発展している現在、日中関係は全く憂慮のないものであろうか。

関連写真:そのほかの中国で報道されている日本に関する写真

 ここ数年、日本ではナショナリズムが台頭してきており、特に若い人々の間における「嫌中」は徐々に増加してきている。政府間における日中関係よりも、これら日本人青年たちのナショナリズムに注目しなければならないだろう。なぜなら、日本国民のナショナリズムの高まりは、日本政府の対中政策に影響を及ぼし、最終的には日中関係の未来を左右するからである。

 日本人青年たちのナショナリズムは主に「日本優越論」と「嫌中論」の2つに分かれる。「日本優越論」とは主に日本人青年たちが日本の文化や言葉、芸術への回帰と愛情を持つことを意味する。

 そして「嫌中論」であるが、嫌中との表現は以前から存在していたが、ここ数年で台頭してきた「嫌中論」は最近の日中間の摩擦と大いに関係するものである。特に2005年以来の中国における反日感情の高まりや日本海における油田問題、靖国神社問題、尖閣諸島の所有権問題などが日本人の反中感情を募らせ、中国の愛国青年たちが日本国旗を燃やすといった行動が日本人の自尊心を傷つけたのである。

 そして、その「反撃」として、以前から存在していた嫌中が「嫌中論」へと昇華し、ネット上で急速に広まり始めた。注目すべきは中国が北京五輪を成功させた後から「嫌中論」を題材とした著作物の出版量が増加傾向を示していることである。

 それでは日本人青年たちのナショナリズムは一体何に起因するのであろうか。まずは日本国内での問題に原因がある。1990年代以降、日本の年功序列型社会は崩壊し、流動的な社会へと変化を遂げた。若い人々に対する非正規雇用が増大すると同時に競争が激化、社会的プレッシャーも大きくなっている。未来に対する不安と失望がネット上に反乱し、それが嫌中や嫌韓へとつながって行く原因の一つであろう。

 第二に中国に起因するものである。90年代以降、急速に発展する中国経済を尻目に、日本経済はその発展速度を大幅に緩めていた。中国に追い抜かれるのではないかという危機意識が日本のナショナリズム台頭に大きな影響を与えている。明治維新を成功させた日本が中国を侵略し、その結果に中華民族がナショナリズムに目覚めたのと同じ現象である。また、毒餃子事件や毒ミルク事件などが日本人が中国に対する「負」のイメージを増加させ、嫌中論への正当な理由を提供することになった。

 日本で流行している「日本優越論」と「嫌中論」は、今後の日中関係にどのような影響を及ぼすであろう。日本人青年たちのナショナリズムの今後は日本国内と中国人青年のナショナリズムの如何によって決まるだろう。民主国家である日本では、ナショナリズムは政治に大いに影響を与えることになる。日中両国のナショナリズムが抑制可能な域を超えてしまったら、日中関係ばかりでなく、全アジアの安定が脅かされることになるだろう。
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(出典:寧春龍的BLOG意訳編集)

 写真は05年、日本の常任理事国入り反対の署名活動が行われた際の様子。(編集担当:畠山栄)

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