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2008年12月09日(火) 03時05分

支持率急落で自民動揺…うごめく「反麻生」、対立先鋭化も読売新聞

 麻生内閣の支持率が急落したことを受け、自民党内で動揺が広がっている。

 麻生首相の退陣を求める声が直ちに強まる可能性は低いと見られるものの、次期衆院選への危機感から、新党結成、政界再編含みの動きがくすぶりそうだ。道路特定財源の一般財源化などをめぐって党内対立が先鋭化することも予想される。

 8日夕、都内のホテルで開かれた渡辺喜美・元行政改革相の政治資金パーティーでは、政界再編論が公然と語られた。

 渡辺氏は、自民党内の造反や圧力をきっかけに退陣した宮沢、森政権のケースを説明するなど「倒閣」をにおわせる発言をした上で、新党結成について〈1〉分社型〈2〉協議離婚型〈3〉裸一貫型−−と分類。裸一貫型を念頭に「衝撃、大化けの可能性があり、覚悟だけでできる」と訴えた。

 パーティーには民主党の枝野幸男・元政調会長らも出席した。枝野氏は記者団に対し、「民主党に来て頂ければ歓迎すべきことだ」とけしかけた。

 政界再編を志向する自民党の中川秀直・元幹事長も駆けつけ、「そう遠くない時、本当の勝負所を迎えるのではないか。金融、環境、テロ危機に対応する政権が必要になる時こそ、渡辺さんの出番だ」と持ち上げた。

 中川氏が今月中旬の発足を目指す社会保障制度改革の議員連盟も、再編に向けた布石と見られている。議連には、渡辺氏や小池百合子・元防衛相らも参加予定で、11日に議連の世話人会を開き、活動を開始する。

 ただ現時点で直ちに、新党や再編の動きにつながるとの見方は少ない。衆院選が遠のいたとの観測が広がる中、新党の「鮮度」を保ちにくいなどのハードルがあるためで、中川氏に近い若手議員も「選挙前に新党を作っても勝算はない。勝負は衆院選直後からだ」と語る。

 むしろ、当面は政策提言で独自色を出そうとするグループの動きが活発になりそうだ。塩崎恭久・元官房長官や茂木敏充・前行革相らによる「速やかな政策実現を求める有志議員の会」は9日に会合を開き、政策提言のテーマについて話し合う。塩崎氏は8日夜、渡辺氏のパーティーで「衝撃的な支持率の実態を見れば見るほど、我々の会の意味が出てくる」と述べた。

 棚橋泰文・元科学技術相ら「道路特定財源の一般財源化を抜本的に進める会」は、政府・与党が8日に正式合意した1兆円規模の地方向け新交付金創設に疑問の目を向ける。使途を公共事業にほぼ絞っていることを「一般財源化が骨抜きになりかねない」と批判していく考えで、党内の火種になる可能性もある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081209-00000003-yom-pol