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2008年12月09日(火) 14時20分

内定取り消しの「迷惑料」として53人に100万円 日本綜合地所MONEYzine

 いったん採用を決めた学生の内定を取り消したマンション分譲大手の日本綜合地所が、取り消した53人に対して100万円を支払うことを決めた。

 すでに多くの企業が来春採用の募集を打ち切っており、学生は新たな就職先探しが困難な状況からこの100万円は「企業として誠意を示しておわびしたい」(広報担当者)という同社からの迷惑料となる。

 いったん採用を決めた学生の内定を企業が取り消すケースは全国で相次いでおり、ハローワークが把握した大卒の内定取り消し件数は、先月25日時点で302人まで増えている。

 内定取り消しはマンション市況低迷で業績が急速に悪化したためだが、「経営不振という理由だけで内定を取り消せるとは限らない」というのが社労士や弁護士など多くの専門家の意見で、日本経団連も今月に入り会員企業に対し、「内定取り消しは法令違反となる可能性が高い」として、新卒者の内定取り消しを行わないよう求める文書を通知することに決めている。今後は会員企業に安易な取り消しを行わないよう徹底する方針で、企業は経営状況が厳しくとも簡単に内定取り消しを行うと非難を浴びそうだ。

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