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2008年12月09日(火) 13時03分

だれにでも読める文字─だれにでもわかる言葉Oh! MyLife

 相田みつをさんの作品は、「誰にも読める文字と誰にでもわかる言葉にその特徴があり、それは見る人の状況に合わせて作品の意味が変わるということである。相田みつをの作品を見るということは、相田みつをという人間と対話することなんです。」と、相田みつを美術館長の相田一人氏が言われています。

 “誰にでも読める文字であり誰でもわかる言葉……”とは、何と単純明快な表現でしょうか。ここに相田みつをさんが多くの人々から慕われる要素があるように思うのです。

 このたび、“たけはら美術館”(広島県竹原市)で特別展・相田みつを全貌展が開催されているので行ってきました。竹原市政施行50周年を記念して、11月3日から11月30日まで開催されていました。

 会場には相田さんの特徴ある筆使いの作品が多数展示されていましたが、どの作品も見る人の心をうつものばかりでした。ポスターに使われている作品は、“しあわせはいつも じぶんの こころが きめる”というものですが、いかにも相田さんの人柄をほうふつさせるものです。

 金八先生こと武田鉄也さんが、「相田みつをさんの言葉は、文字や名言というものでなく、これは音ですね…… ですから、これらの言葉を見て、読むのではなく呟き、囁くことです……」(注・「生きていてよかった」特別編 ダイヤモンド社より)と、述べていますが、作品を見ていると言葉を“音である” と表記されていることがわかるような気がしました。

 相田さんの書物を読んでいたら、相田さんと足利市内にある老舗和菓子屋や「香雲堂本店」とは長い付き合いがあるということを知りました。今でも香雲堂本店のしおりとして使われている言葉で、相田みつをさんが包装紙に次のような言葉を書かれています。

 “ひとつのことでもなかなか思うようにならぬものです。だからわたしはひとつのことを一生けんめいやっているのです…… 香雲堂主人”と、

 相田さんは、“これを使ってくれる香雲堂さんが、商売繁盛してくれますように……”と、ただそれだけを念じて包装紙を作り、いまだに使ってくれるのは、おかげさまです。“と、ここに相田さんの優しさ思いやりがあり、相田さんと老舗和菓子屋や「香雲堂本店」との絆の深い信頼関係をかいま見る思いがします。

 混沌とした世相の毎日ですが、氏の作品を鑑賞させてもらい、心の安らぎを覚えたのは私だけではなかったと思うのです。

(記者:松原 ただし)

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