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2008年12月09日(火) 12時52分

国民年金、保険料免除制度を活用しようOh! MyLife

 テレビなどで連日のように報じられる年金問題。その大半は、社会保険庁の失態をあげつらうものばかりで、肝心の年金制度そのものの仕組みを報じたものは、ほとんどない。

 なるほどテレビであれだけ、ネガティブキャンペーンのような報道が続けば、多くの国民は、年金制度そのものに不信感を持ってしまう。

公的年金の優位性は動かない

 結果として、「どうせ掛けても、もらえない」、「先のことなどどうなるものかわからない」と、より多くの未納者が増えている、というのが現状だ。

 しかし、社会保険庁に不祥事が続いたとしても、また国の年金制度に多くの不備があったとしても、個々の国民にとっての利害はまた別の問題である。

 今ある制度の中で、それを自らに有利になるよう、いかに行動すべきかである。「そんなものどうでもいい」と、放ったらかしにしておく、というのは正しい態度ではないと思う。誰にでも老後はおとずれるし、場合によっては病気やケガによって身体障害にもなる。

 国民年金は掛けておくのに越したことはない。民間の個人年金保険と比べても、公的年金の優位性は、なお動かないからだ。

 第1に、民間の個人年金は、その募集から運用にあたって多くの人件費を要するが、その費用は全て保険料からまかなわれる。その上に利益も出さなければならない。

 対して公的年金は、それを運用する人間の人件費は、基本的には税金(保険料とは別)でまかなわれているわけだし、さらにその上、3分の1の国庫補助がある。また、掛けた保険料の全額が、税法上所得控除される。

 もちろん法律的にも掛ける義務があり、掛ける能力があるならば掛けるべきである。但し、掛ける能力が無い場合には、以下のようなさまざまな救済措置がある。

【全額免除】

 文字通り、掛け金が免除される。この期間は、保険料納付期間に算入され、また通常の3分の1だが、免除期間分も老齢年金が算入加算される。極端に言えば、全期間40年間、全て全額免除で、1銭も払っていなくても、満額の3分の1はもらえる、ということだ。

 この3分の1というのは、元々年金財政への国庫補助が3分の1あり、その分がもらえるということである。ただし、これもあくまで自らが手続きをする必要がある。

 最寄りの市町村役場、または社会保険事務所へ年金手帳(もしくは基礎年金番号がわかるもの)を持参して、申請するとよい。

 なお、全額免除の条件は、本人、配偶者、世帯主について、それぞれ個別に計算した前年の所得が、(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円以下であること。

 具体的には、単身者だと57万円(給与所得だと122万円相当)、4人世帯(控除対象配偶者と子供2人)だと162万円(給与所得257万円)というところが目安だ。

 それから、前年それなりの所得があったが、今は失業している、という場合は、離職票もしくは、雇用保険受給資格者証を提示すれば、前年の所得は0とみなされる。

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(記者:斉喜 広一)

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