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2008年12月09日(火) 02時31分

<定額給付金>自民党内で見直し論「政権浮揚効果乏しい」毎日新聞

 毎日新聞の全国世論調査で、総額2兆円の定額給付金を「評価しない」との回答が70%に上ったことなどを受け、自民党内で見直し論が浮上してきた。もともと早期の衆院解散・総選挙を想定した選挙対策の意味が強かった施策。しかし政府・与党が目指した今年度中の支給完了は事実上不可能なうえ世論の支持も高まらず、政権浮揚効果は乏しいとの見方が広がっている。

 1人当たり原則1万2000円を支給する給付金には「ばらまき」との批判が強く、運用にも多くの課題が残っている。民主党は制度に反対しており、実施に必要な関連法案の成立は来年3月末になる見込みだ。

 自民党幹部の一人は「支給完了は夏ごろになり、選挙に間に合わない可能性がある。誰かが(見直しの)引き金を引けば賛同者は増えるだろう」と指摘。山崎拓前副総裁は8日夜、BS11デジタルの報道番組「インサイドアウト」で「思い切ってやめた方がいい。2兆円あれば小中学校の耐震工事や雇用対策に使える。支持率回復には政策転換以外にない」と明言した。

 ただ、給付金は公明党の要望を踏まえて導入した経緯があり、自民党が見直しにかじを切れば与党内の亀裂は避けられない。政策転換が逆に批判を招く可能性もある。

 麻生太郎首相は7日、熊本県天草市で「(視察先では)『定額給付金を必ずやってください』と言ってくる。現場の声と新聞を通した声と、ずいぶん違う気がする」と述べ、見直す考えは示していない。【中田卓二】

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