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2008年12月09日(火) 02時31分

<消費税>引き上げ幅示さず 中期プログラムで政府毎日新聞

 政府・与党は8日、年内にまとめる税制改革の「中期プログラム」の焦点の消費税について、引き上げ幅を明記しない方針を固めた。一方、引き上げ時期は「景気の本格回復」を条件に「11年度にも消費税を含む税制の抜本改革に着手する」などと示す方向で調整している。麻生太郎首相の「3年後の景気回復」発言や基礎年金の国庫負担の2分の1への引き上げとの兼ね合いを考慮してのもの。ただ、消費税税率に触れないままでは税制の抜本改革へ道筋を付けたと言えず、中期プログラムの実効性が疑問視されそうだ。

 政府・与党は04年度税制改正大綱でも「07年度をめどに消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する」との方針を示したが、結局、抜本改革自体を先送りしている。与党内では、与謝野馨経済財政担当相が会長を務めた「自民党財政改革研究会」が今春、「2010年代半ばに消費税を少なくとも10%程度に引き上げる」ことを提言した。しかし、次期総選挙をにらんだ与党内の反発が強く、中期プログラムは消費税率に踏み込まない方向となった。

 一方、消費税を含む税制抜本改革の時期だけは示すのは「基礎年金の国庫負担の2分の1への引き上げとの整合性を図るのが目的」(自民党幹部)。政府は国庫負担引き上げの財源(年間2・3兆円、消費税1%分に相当)を財政投融資特別会計の積立金(埋蔵金)から捻出(ねんしゅつ)、予定通り09年度から実施し、10年度も埋蔵金でつなぐ方針だ。

 ただ、年金法は国庫負担引き上げの前提として「安定財源の確保」を挙げており、一時的財源に過ぎない埋蔵金ではその要件を満たさない。埋蔵金による一時的な対応を正当化し、つじつまを合わせるためには中期プログラムに「11年度にも着手」と書き込むことが必要との判断に傾いている。【赤間清広】

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