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2008年12月09日(火) 23時35分

6カ国協議 中国が検証文書草案を提示 斎木局長「見通し厳しい」産経新聞

 【北京=阿比留瑠比】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議首席代表会合は9日、北京の釣魚台迎賓館で2日目の協議を開き、議長国の中国が、焦点となっている北朝鮮の核計画申告の検証枠組みについて、議論のたたき台となる文書草案を提示した。全体協議は10分間で終了し、その後は各国がそれぞれ草案を検討し、中国側に意見を述べた。また、日中、日米、日露など各国間で断続的に協議と調整が行われた。

 草案の内容は明らかにされていないが、日本首席代表の斎木昭隆・外務省アジア大洋州局長は9日夜、記者団に「文書草案は改善の余地が多々あった。日米韓露で考え方で足並みをそろえて(中国に)アイデアを提示した」と語った。ただ、協議の行方については「なかなか見通しは厳しい」と述べた。

 北朝鮮は核兵器の原料となるプルトニウムの抽出量検証に欠かせないサンプル(試料)採取の明文化を拒否しており、他の5カ国との立場の違いは依然として大きいままだ。文書草案にはサンプル採取という文言は入っていないが、「それに近い表現はあった」(斎木氏)とされる。

 米首席代表のヒル国務次官補は、「中国は草案作りに当たって努力している。草案に特におかしなところはない」と語った。また、この日も米朝間で事務レベルの協議が行われたことを明らかにした。

 6カ国協議は10日午前9時から再開される予定だ。中国が非公式に各国に通知した協議日程は10日までだが、それまでに文書の形式や文言で一致点を見いだせるかは不透明だ。一方、日本が北朝鮮に求めている拉致問題に関する日朝協議開催については、「(北朝鮮に)そういう動きは全くない」(斎木氏)という。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081209-00000605-san-pol