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2008年12月09日(火) 22時04分

<6カ国協議>第2段階完了の合意づくり複雑化毎日新聞

 【北京・堀山明子】6カ国協議は8日からの首席代表会合で、北朝鮮核施設の無能力化と見返りのエネルギー支援を行う「第2段階措置」を3月下旬に完了する目標で大筋合意した。しかし、日米韓が北朝鮮核計画の試料(サンプル)採取を含む検証をエネルギー支援の前提とし、北朝鮮が反発しているため、第2段階措置完了の合意づくりは複雑化している。

 韓国の金塾(キムスク)首席代表は8日の会合後、「包括的解決でなければ解決にならない」と述べ、無能力化と見返り支援、検証の3点は一括妥結すべきだと強調した。

 これに対し北朝鮮は、検証実施は「(第2段階の)経済補償が完了した後」(先月12日の外務省報道官談話)と主張。第2段階措置に検証問題を絡める交渉には応じない姿勢を崩していない。

 一方、経済・エネルギー支援作業部会の議長国・韓国は、未使用の核燃料棒を韓国が購入するという独自の見返り案を提示。北朝鮮は、韓国が購入する形での未使用の核燃料棒の海外搬出案には異論を唱えなかったという。

 北朝鮮の核施設無能力化に対する見返り(初期段階措置含め重油100万トン相当のエネルギー支援)は現在、重油40万トンと発電施設の資材が重油換算で14・6万トン相当提供され、全体で54・6%が実施された。燃料棒購入額は「純度や保管状況をみて判断する」(韓国協議筋)ため未確定だが、北朝鮮は当初合意のエネルギー支援に加え、見返りを上積みしたことになる。

 一方、拉致問題を理由に支援を留保する日本の負担分約20万トン相当については、豪州などから募金で補う方針が了承され、支援の実施体制は一応整った。

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